[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
『Baby large panic!?‐8‐』
病院まであと2時間。
ここまで時間を永く感じたことは過去にあっただろうか。
そう自分で自分に問い掛けてしまうほど、俺は焦っていた。
伸吾が妊娠した。
それは文字通り、伸吾の体内に新たな命が宿ったということらしい。
相手は今のところ不明。
どうやら、相手がいない可能性のほうが高いと言っていた。
正直言って、今でも信じられない気持ちがある。
だが、どこか信じている気持ちもある。
だって・・・・・
だってだぞ・・・・・
正直認めると・・・認めなくても、俺は今この部屋にいるメンバーの中で一番小さい。
身長とこの容姿のことでどんないやな目に今まであってきただろう。
指を折り数え出したらきりが無い。
しかし、しかしだ。
もし、小さい伸吾が生まれたら?
伸吾は今のままで充分愛らしいし、可愛い。
それは誰もが認めることだ。
さっきも言ったように、相手がいないと仮定する。
すると、純伸吾100%な子供が産まれてくることになる。
此れが、伸吾に似ていなくて誰が似る?
大きな目が更に大きくなり、幼子特有の愛らしさが右肩上り。
そんなモノが其処らへんでハイハイでもしている姿を思い浮かべてみろ。
俺は人を殺すことさえ可能ではないかと思うな。
伸吾が入学し、俺はいったい何時から伸吾に思いを寄せるようになったのだろう。
今では自分でもわからない。
けれど、今俺にとって伸吾は替え難い大切な人になっている。
それは替えることの無い事実で真実だ。
これからどんなことがあっても俺は伸吾の傍で、伸吾を守って行きたい。
伸吾ジュニアか・・・・
可愛いだろうな~・・・・
「郁?」
「高崎先輩?」
どこかで俺を呼ぶ声が聞こえるが、今は振り向いているひまは無い・
これから産まれてくる(かもしれない)赤ん坊の名前を考えなくては。
次
戻る
小
説TOP