『Baby large panic!?‐7.5‐』



「ところで伸吾君」
「はい?」

伸吾がある程度落ち着いて、再び皿の上のフルーツを食べ始めたところを確認して、職業高校養護教諭 如月瞳は口火を切った。

「伸吾君は男の子と女の子のどちらがいいですか?」
「ッ!?」

食べていた果物を喉に詰まらせる伸吾。
善く見ると周りで各々フルーツを食べていた人たちもむせていた。

「き・・きさ・・・げほ!」
「すみません、驚かせてしまいましたか?でも、私は伸吾君が男の子と女の子どちらを望んでるのか気になったもので」

にこにこと機嫌よさそうに笑いながら訪ねてくる相手に、伸吾は無下に出来るわけ無く。

「で・・でも、俺・・・」

まだ、其処まで考えられない。と、言おうとしたとき・・・

「伸吾君?前向きに・・・ね?」

優しく頭を撫でられ、伸吾は少し躊躇いながらも考え始めた。

「俺・・・一人っ子だったから・・・弟・・・欲しかったんです」
「弟?」
「はい・・・あ、でも今回のとはちょっと違いますね」

照れたように笑いながら、伸吾は頬をかいた。

「いいえ、あまり遠くも在りませんよ?結果的に伸吾君は男の子が良いかなって思っていると、見ればいいんですから」

ね?と、再び頭を撫でられ

「あ、そうか」

と、素直に頷く伸吾。
他の人たち、用心しながら如月先生の様子を見ていた。

「じゃぁ、もし男の子が生まれたら、3人で近くの公園にでもピクニックにでも行きましょうか?」

勿論、お弁当を持ってね。と、さり気なく3人を強調させる先生。

「お弁当ですか?」

にわかに笑顔を浮かべる伸吾に、こちらも嬉しそうに微笑む如月氏。

「ええ。伸吾君が好きな物をたくさん詰めて」

「はい!」

ようやく、心からの笑みを浮かべた伸吾に、こちらも嬉しそうに微笑みながら頷いた如月氏だった・・・。


(充/や・やられた!)
(一/先を超された!)
(郁/瞳さん!あんたずるい)
(薫/絶対着いて行きますからね!!)
(白/瞳、必ず皆で一緒に行くからな・・・?)

瞳先生、さり気なく(?)約束を誰よりも最初にゲット。






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