『Baby large
panic!?‐3‐』
今日の午後から再び詳しい再検査を予定していたため、それまで如月宅で時間を待つ面々。
「伸吾、大丈夫?気分悪くない?」
「大丈夫だよ充流。今はなんとも無い」
元気そうに笑う伸吾に一先ず安心の充流。
「でも、もし体調が悪いようなら直ぐに言ってよ?」
「分かってる。ちゃんと言うから」
その言葉に、頷いて、お茶の用意をし始めた如月先生の下へと剣崎とともに向かう充流。
(もし・・・伸吾に本当に赤ちゃんが出来たら・・・やっぱ、伸吾似かな?血のつながる父親、いないわけだし)
そう考え始めると、頭に浮かぶのは生まれてくる赤ん坊のイメージ。
(やっぱ、伸吾に似て元気いっぱいなんだろうなぁ〜・・・あ、でも、双子だったどうだろう?伸吾が3人・・・・良いッ!)
自分の考えに心の中でガッツポーズを取る藤井充流さん。御年17歳。高校2年生。
(待てよ・・・ちっちゃい伸吾と、ちっちゃい僕の2人・・・っていうのも、中々・・・)
二人で笑い、泣いて、自分達が会う前からの時間を埋めていくミニチュアサイズの自分達。
(そんで、僕がご飯を作ってあげて、伸吾と一緒に4人で食べて・・・・)
どんどん膨らむ妄想。
(あ、でも双子って言うからにはやっぱ顔が似てないとなぁ・・・僕と伸吾の子だし)
いつの間に、決まったんですか?
(二人の特徴がでた顔・・・あぁあああ!!!!最高!!!!良い!!!これ、良い!!!!)
「・・・・・充流さん?」
お茶のお盆を持ちながら、目の前で真剣に何かを考える充流に心配そうに声をかける如月先生でした。