『Baby large panic!?‐6.5‐』
スーパーからの帰り道。
「白鐘先輩」
「ん?なんだい?」
僕と、先輩は多種多様な柑橘類が詰まったスーパーの袋をぶら下げながら帰り道を歩いていた。
「伸吾先輩の赤ちゃんってやっぱ、顔も伸吾先輩似なんですかね?」
「相手が居ない・・・と、言っていたからな。その可能性は大きいんじゃないかな?」
その台詞に、僕は歩きながらとある考えをつぶやいた。
「だとしたら、やっぱり・・・・大きくて涙がこぼれそうな潤んだ目にサラサラの髪・・・」
それに続けて白鐘先輩が、
「ソレに加え、元気の良い良く通る声、元気一杯のすらりと柔らかな手足」
その後はもうエンドレス。
「誰も教えても居ないというのに、本能で知っている恐ろしいほどの甘え上手」
「そのうえ、誰もが拒否できないあの大輪を裂かせたような笑顔」
「どうしても、何か食べ物をあげてしまいたくなるあの表情」
「是が否でも構いたくなるあの仕草」
「どんな時も直向な瞳」
「優しさと強さを持ったその心」
「不器用だというのに、なんにでも興味を持つ好奇心旺盛なところ」
「好きなことには一直線な性格」
「気持ち良いぐらいの大食漢」
「甘いものには目が無いところ」
「英語と体育はいいくせに、他の科目がだめなところ」
「音楽は直ぐに眠るところ」
「眠汚いところ」
「寝相が悪く、いつもシャツがめくり上がっているところ」
「ゲームが好きで、ゲームのこととなると熱くなる」
「新作には特に目が無い」
「スーパー、コンビニに行くと必ずといっていいほど新商品を見つけてくるその、すごさ」
「しかも1,2ではなく最低でも5種類は見つけてくる」
「どうしようもなく、母性本能をくすぐる性格」
「護りたくてしょうがなくなる」
「実は泣き虫」
「でも、意地っ張り」
「変に頑固」
「頑なだが、そこがまた・・・」
その後、僕と先輩は、真顔で二人同時に親指を立てあった。
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