『Baby large panic!?』



それはいつもの、昼休み、お昼時のことだった。
「如月先生、これ美味しいですね!!」
と、伸吾を含めた7人は保健室にやってきて、養護教諭である如月瞳の手作り弁当に舌鼓をしていた。
「それはよかった。新しく考えたメニューなんです。伸吾君に喜んでもらえたなら作った甲斐があったというも のですね」
と、そんな時・・・

「うッ!?」

「伸吾!?」
今まで美味しそうに食べていた山内伸吾はいきなりお箸を落とし、口に手を当て慌てて流しへと駆け寄った。
「どうしたんです!?何かあったんですか!?」
其の後を慌てて追い、伸吾の背中をなで擦りながら困惑の顔を浮かべる如月瞳。
「ち・・違うです・・・」
「伸吾!大丈夫!?」
半ばパニックになっている藤井充流。
「寝なくて大丈夫か?」
落とした端や散らかったおかずを片付け心配そうに聞いてくる一条雅良。
「電話で車にきてもらい、病院に行くか?」
自分では何もしてやれないと、心配そうに伸吾を見やる白鐘利広。
「そ・そんなことより、ここは瞳さんに見てもらったほうが早いだろう!!」
と、こちらも少しパニクっている高崎郁。
「そうですよ!!白鐘先輩!!」
郁に便乗するように少しパニックを起こしかけている剣崎薫。
「大丈夫・・・です・・・」
力なく頭を振る伸吾に、瞳は心配そうに、
「何か、御口に遭いませんでしたか?」
「美味しいんです・・・・でも・・・」
「でも?」
「なんだか、この頃食べ物を食べたりすると急に今みたいになって・・・・」
「そんな!!なんで僕に言ってくれなかったの!?」
「藤井、落ち着け」
ますますパニックになりそうな充流を高崎は宥めつつ、
「伸吾、それはいつぐらい前からだ?」
「・・・1ヶ月ぐらい・・です」
少し力なく、瞳によりかかる伸吾。
「そんな前から・・・今すぐ病院に行き精密検査を受けてもらいましょう。いいですね?伸吾君」

そして、伸吾が何か言う前にさっさと車を用意し、なぜか7人全員で病院に行くことに・・・。

「・・・・・・・・・・非常に、言いにくいのだが・・・」
「お決まりの文句はいいです。さっさと言っちゃってください兄さん」
ここは瞳の実家でもある如月総合病院。
「・・・じゃぁ、いうぞ・・・腰を抜かすなよ・・・?」
いきなり(伸吾を除いた6人は)緊急と押しかけ、あれこれと検査をしてもらい今はもう夜になってしまってい るこの時間。
伸吾は検査の疲れでベッドに座った利広に横抱っこ(お姫様抱っこ)され、うとうととしていた。(何気にやく とくの利広)
「本当っに、腰を抜かすなよ・・・・?」
「だから早く結果を教えてください!!」
「そうですよ!!」
早く愛する伸吾を楽にしてやりたいと、如月家の長男に詰め寄る5人。
「・・・・・・・・・・・スーハーー(深呼吸)・・・・・・・・山内伸吾は・・・・」
「伸吾は!?」
「・・・・・・・・妊娠している可能性がある」(ぽつり)
「「「「「「へ?」」」」」」
「だから・・・・・山内伸吾は妊娠している可能性があるんだ!!!」
検査結果を言っている本人でさえまだ状況がつかめていないのかついうち大声で怒鳴ってしまい、その声で当の 伸吾は意識をはっきりとさせてきた。
「に・・・妊娠・・・?お・・・俺が・・・?」
「ああ・・・・・非常に非現実的で本当に何でだと喚きたいほどなのだが・・・・エコーの検査結果で見事に 引っかかっているんだ・・・・」
ここで、非現実すぎる展開に如月家長男撃沈。
「僕の伸吾が妊娠・・・?」
「伸吾が・・・・?」
「私の伸吾君が・・・?」
「伸吾・・・先輩・・・?」
「ほ・・本当なのか、それは・・・?」
「い・いまそう言ってたじゃんか・・・」
「な・・・なんで・・・・?」
最後、現実を言われた本人の呟きにより一瞬にして全員が現実に戻った。
「し・伸吾!!」
「み・充流!?」

「相手は誰なのさ!!!!?????」

「し・知らねーよ!!!」
「知らないじゃないだろ!?」
「一条!!?」

「相手がいなければ妊娠なんてあるわけがない!!!」

「だって・・・だって・・・知らないんだから!!!」
「一条先輩の言うとおりですよ!!」
「剣崎・・!?」

「僕が先に狙っていたのに!!!!!」

「な・何言ってんだよ///!?」
「伸吾、今すぐ正直に相手のことを話すんだ」
「し・・・・・白鐘先輩・・・・?」

「オレが、話しをつけて来る・・・・・・」(静かな怒り)

「だ・だから、俺っ・・・」
「伸吾、お前は何も心配しなくていいんだぞ・・・・?」
「高崎先輩・・・・?」

「お前のことは、俺が一生面倒を見てやる。勿論、お前の子供もだ」(真剣な眼差し)

「だから、知らないってっ・・・」
「伸吾君、医療費のことは気にしないで下さいね」
「き・如月先生?」

「私が全ての責任を持って貴方と貴方の子供を守って見せます」

「・・・・・・だ、だから俺は知らないんですってば!!!!!!」
「・・・・え、でも・・・・伸吾?」
「ありえなくもないんだ・・・」
如月家ご長男、葵先生復活。
「どういうことですか!?兄さん!?」
「そうですよ葵さん!!」
「今、伸吾君は現実では決してありえないであろうことにありえてしまった・・・・だから、其の延長戦として 考えても、相手がいなくても妊娠してしまう・・・という論もなくはないんだ・・・。聖母マリアのように・・・・」
「兄さん、想像妊娠は・・・ないんですか?」
「いや、ならエコーに引っかかる意味は?」
「・・・・」




小 説TOP

************************
もとは、それ僕BLOGに置いておいた物。
こっちできちんと連載してい・・・きたいです・・・;





カウンター