薬(太史慈編)


朝、日も明けぬうちから床を出て、獲物を手に持ち、練習に励む。

そして、汗を流しそれから食堂に向かう。

それが俺の毎日の日課だ。

俺は太史慈、字を子義という。

今日も今日とてこの日課は変わらず、今汗を流しこれから食堂へと向かうところだ。


・・・ん?

向こうから走ってくるのは・・・呂蒙殿ではないか・・・?


「どうしたのだ呂蒙殿?」

「た・・太史慈・・・すまぬ!!今日は体の具合があまり良好ではない様子。今日の軍議は休 ませてもらう!!」

「あ・・・・あぁ・・・・・」


どうしたんだ?俺が返事をする前に脱兎のごとく駆けていってしまったぞ・・・・?

というか、体の調子が悪いというのになんというほどの足の速さ・・・・・・。

「何があったんだ・・・?」

あの、真面目な呂蒙殿がこんなにも焦っているとは?


そんなこんなを考えながら俺は食堂へと再び向かった。

確か今日の当番は甘寧だった。

結構味付けがよくて、ひそかに心待ちにしていた。

さて、今日は何の料理が出るのか?


そんな風に考えながら、食堂に入るとそこにはすでに炒め物を初め朝食が並べられていた。

今日はこれで全部らしいな。

いつもの自分の席に着き、箸を持ち城へと収めてくれた百姓へと感謝しながら飯を口に運ぶ。


「ん?」


あそこの席にいるのは、陸孫だな・・・。どうしたのだろうか?やたらに眉間にしわを寄せ何か考えている様子だ。

その横にいるのは・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

甘・・・寧だよな・・・・?

な・・・なんなんだ・・・・この・・・何か禁断の魅惑へと誘われるような気持ちは・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っは!!


っと・・・・危うく我を失うところだった・・・

だ・・だが、何なのだ本当に・・・。


「あ、太史慈殿」

「あ・・あぁ・・陸孫。どうしたのだ?そんなに眉間にしわを寄せ?」

「え・・えぇ・・・・太史慈殿・・・」

「何だ?」

「甘寧殿を見て、変な気分に なりますか?」

「へ・・変な気分だと!?」

いきなりの核心か!!?(う おい)


「どうなんですッ!?」

そ・・そんなに迫られても・・・・

や・・やはり素直に答えるべきか・・・・;;

「あ・・あぁ・・・・・。なんだか禁断の魅惑へと誘われるような気持ちになる・・・・」

「やはり・・・・」

また、なにやら考え始めてしまった。

答えたこちらはどうすればいいのだ・・・・・・;;;


にしても・・・・本当に何なんだ・・?

あの甘寧の・・・色気・・・というか・・・なんというか・・・・







『奥さん!!俺は・・・俺はもぅ!!』

『あぁ・・・だめです、そんな・・私は夫のいる身・・・』

(この場合、夫は陸孫)

『そんなこと気にはしません!!』

『だめです!夫が帰ってきてしまうわ!!』

『そんな・・・僕らの愛は!!?』

『お願いです・・今日は・・・今日のところは・・・』

『奥さん・・!!』

『お願 い・・・』

(以上、太史慈の『めくるめく恋のらんでぶー』をお 送りしました)







・・・・・ ぷつん。(え)
(甘寧さんのところへ猛突進)

「か・・いや、奥さん!!!」

「へ・・お・・奥さん?」

「今日はつまらぬことなど忘れ俺と!!」

「お・・おい、太史慈?」

「そんなつまらぬ名ではなく、子義と・・・どうか、子義とおよびください・・・」

「し・・・子・・・・義・・・・?」

「あぁ !!奥さん!!!俺は・・・・俺はもう・・・・!!!」


ご ん!!


・・・・・・・ばたり。

「危ないところでした。危うく太史慈殿に先を越されるところでした・・・」

「り・・・陸孫・・・・?」

「大丈夫でしたかおく・・・じゃなく て、甘寧殿?」

「あ・・・あぁ・・・・」



あぁ・・・・奥さん・・・俺は・・・俺は・・・決してあきらめ・・・ませ・・んよぉぅう〜〜〜〜〜・・・・・・・・



太史慈、禁断の愛に走る。の、巻きでした。(ぇ)