薬、薬も、 ほれ薬。(呂蒙編)


「ふ わぁ〜・・・」

城内で 欠伸とは自分でも珍しいと思うが止まらない。

わしは 呉の武将、名を呂蒙こと字を子明という。

昨夜、 新しい書物を手に入れたためついつい読みふけてしまい今、少し寝不足になってしまったのだ。

いやし かし、中々有意義な時間でもあった。

いつも は戦略や歴史、歴代の武将の書き記した日記などを中心として読むのだが、昨日陸孫殿から進められた書物を試しに読んでみようと思ったのだ。

いつも いつも同じような書物だと頭に入るものも入らなくなると注意されてのことだった。

まぁ、 確かにそれはそうなのだろうが。

ちなみ に進められた書物は、とある人物が今まで起きたことをまとめ、創作した推理ものだった。

読み始 め気がついたら既に夜も更けていた。

自分で も之ほどまでにのめり込むのかと驚いた。

陸孫殿 に礼をいうか・・・・。

そうい えば、今日は甘寧が朝餉の担当に当たっていたな。

なら、 きっと陸孫殿も調理場か食堂に居るだろう。

わしに はどこがいいのか分からんが、陸孫殿は甘寧にかなりご熱心な様子。

まぁ、 傍観者としてみると見ていて楽しいからこれといって注意もせず、見ているだけなのだが。

 そう考えながら、わしは食堂へと足を向けた。

 さて、わしの読みは当たっているか・・・?

「か〜んね〜いど〜の〜v

あたっ ていたようだな。

 垢抜けた陸孫殿の声が聞こえてきた。

 確かに、甘寧は傍にいて色々やらかしてくれるから 飽きることはないが、そこまで何を熱心になれるのか、わしには不思議でしょうがなかった。

 「・・・・・・」

 さて、入るか入らないか・・・・。

 下手に入ると、蛇にも似たにらみを受けることに なってしまうのだ・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ん?・・・なんだか食堂内が静かになった な・・・・・

 どれ、入るなら今が期だろう。

 「陸孫殿・・・、昨日渡してくれた書物。存分に楽 しませてもら・・・・・・・・」

 「ぐす・・・・・・・あ、呂蒙殿」

 「なんだ、おっさんか。もぎゅもぎゅ」

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  。

わしの 目は何か病を患っていたのだろうか・・・・?

 いや、そんなことはなかったはず・・・・だが、で は何故今目の前で大きな碗にはいった飯をがつがつと口に頬張っている甘寧がこんなにも・・・・・こんなにも魅力的に見えるのだ?

 「おい、おっさん?」

 「っは!・・・・・・・・・・寝不足のせいだろう//

 きっとそのせいだ。

 「どうしたんだよおっさん・・・?なんか顔赤い ぜ?風邪か?」

 っう!!・・・・そ、そんな眉間に皺を寄せ上目使 いに見上げるな///!!!


 変な気持ちにな るだろうが//////!!!(うおい)


 「呂蒙・・・殿?」

 は!!そうだった!!今は陸孫殿に礼を!!

 「・・・陸孫殿、昨日渡してくれた書物。中々楽し ませてもらった。礼を言う」

 そうだ、わしは何も見ておらぬ。(現実 逃避)

 そうしてしまおう。

「そうですか。それは良かった」

 おや、何か元気が無い様子だ。

 「どうしたのだ?何か元気が無い様子だが?」

 「いえ・・・・昨日ちょっと頑張って作ったもの を、試してみたのですが・・・・・残念ながら効果はまったく無く、海よりも深く心沈めていたところです」

 ・・・・・・・・・・・・・何を作ったかは分から ぬが、かなり気落ちしているようだな・・・・・;

 「き・気にするな。陸孫殿ほどであれば再びやれば 上手く行くだろう」

 「ありがとうございます・・・・・はぁ 〜・・・・・」

 ・・・・すごい気落ちしているな・・・・・・;

 「あ、そうだおっさん。これ、運んでくれよ」

 甘寧はこの陸孫殿の様子になれているのかあまり気 にした風もなく鍋の中身を大皿に入れそれをわしによこした。

 「あ、あ あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グハッ///////!!!(100 メガヒット!!)

 な・・・なんなんだ!!!この調理場の中で鍋を持ち前掛けをし大皿を 渡してくれる甘寧のなんともいえない可愛らしさは!!?!?




 『なぁ、子明・・・・・。俺・・・お前のために頑張って作ったんだぜ・・・・?』

  『そうか・・・。嬉しいことをしてくれるな興覇はv』

  『子明、全部食わなきゃ・・・・無双乱舞かけちまうからな///?』
 
 トス。

  『分かってんのか?』と、少し照れたように胸に軽く拳を立ててくる。
 
 なんと、可愛いことだろうか・・・・。

  『・・・・興覇、何を心配する?お前の作ったものだぞ?全て食べるに決まっているではないか・・・』
 
 そっと抱き寄せ、優しくささやく。

  『・・・子明///

 『好きだぞ、興覇・・・』

 そして・・・・・・





 ・・・・・・・・・・・つーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 「おい!!おさっさん!!!鼻血!!鼻血出てるぞ!!」

 「ッ///!!!」

 わ・わしは今何を考えていた のだ!!!??(なんでしょ う?)

 変だ!!寝不足の所為だ!!寝れば治る!!治るは ずだ!!



わしは、慌てて鼻を拭い、渡された大皿を卓に置くと 後先考えず自室へと走った。

今日は寝てしまおう。具合が悪いと殿に申し出よう!


「・・・・・・・・・・おっさん、どうしたん だ・・・?」

「・・・・(呂蒙殿の様子が明らかにおかしかっ た・・・・。もしかしたら、あの薬の所為・・・・?)」




悩めるおっさんの巻き。ちゃんちゃん♪