「けほッ・・・あぁ〜・・・なんか喉痛いな・・・」

その日、俺はライトニングサイクスのメンテナンスのため帝国軍の基地に居 た。

「風邪でも引いたかな・・・・・?」

廊下で立ち止まり声の調子を確かめていたら、

「どうしたんだ?」

ふと聴きなれた声が後ろからして、俺は振り向かずにそのまま答えた。

「なんか、喉が痛くてな」

「風邪でも引いたのか?」

「さぁ?でも・・・そうなったらめんどくさいな・・・・」

俺は話を手早く一人完結させその場を去ろうとした。

何故そうしたかというと、簡単なことで、俺はこいつに関わりたくない。それ だけだ・・・でも、

「待て、顔も見せずに立ち去ろうというのはどういうことだ、アーバイン?」

歩き出そうとした瞬間に右肩を強くつかまれ振り向かざる得なくなり仕方なく 相手のほうを振り返った。

「どいうもこういうもねーよ。ただ単にあんたとは会いたくなかっただけだ」

「何故?私と会いたくない?」

「あんたが変態だからだ。シュバルツ大佐」

「変体とは侵害だな」

意外そうに肩をすくめ苦笑を浮かべるその姿にカチンと頭にきた。

「何が侵害だ。横を歩くと腰に手を回すわ、人のいない所を通ったらすぐさま 押し倒そうとするわ・・・・現に肩を掴んでた手、なんでこんな腰の方にきてんだよ?」

俺は腰に回っていた手をバシッ!!と強く払いのけ目の前にいる相手を睨ん だ。

「ただの挨拶じゃないか」

「ただの挨拶で相手の腰をいやらしく撫で回すか!!ったく・・・そーゆーこ とは女にしろ女に!!」

「私は君に興味があるんだ。興味の無いものにやっても意味が無い」

おい・・・しれっとふつぅーーに返したぞ。今。ふつぅう に・・・・・・・・・・

「・・・・もぅいい・・・・俺行くわ・・」

「待て」

再び歩き出そう(逃げよう)としたところ再び呼び止められ顔をしかめながら 立ち止まった。

「なんだよ?まだ何か用か?」

「喉が痛いといっていたな」

「・・・そうだけど?」

「喉飴じゃないが・・・まぁ、まだ舐めていれば喉の調子も今よりマシだろ う」

そういって俺の手に渡したのは一粒の飴玉。

「・・・いらねーよ別に。甘い物苦手だし」

「だが、痛いままというのも良くない。我慢してこれだけでも舐めておけ」

そう言ったとき丁度シュバルツに無線で連絡が入りそのまま少し急いで行って しまった。

「・・・・・・」

残った俺と手に乗った飴。

「・・・ま、これだけの親切ならもらっといてもいいか・・・」

そう自分で納得し包みをはがし俺は飴を口に放り込んだ。


20分経過。


「・・・なんか熱・・・出てきちまったか・・・?」

先ほどはただ喉が痛いだけだったのだがなんだか今、身体が熱く感じる。

「今日はもう部屋に戻って寝ちまうか・・・・・」

寒気はない。でも、何故だか無性に身体が熱かった。

「・・・ったく、こんなところで熱出すとは・・・・」

自分に愚痴を言いながらすこしゆっくりと歩いていた。

「アーバイン」

「・・・・・・・・・」

またあいつだ。

「どうだ調子は?」

「ああ、飴ありがとな。おかげで少しは喉の痛みも取れたわ」

俺はそれだけ言うと再び歩き出した。

「っと・・!!」

不意にバランスを崩してしまい慌ててシュバルツの肩に腕を置いた。

「わりぃー・・・」

「・・・どうしたんだ?顔が赤いぞ・・・?・・・熱があるんじゃないか?」

「なんか・・・そうらしいんだ・・・」

なんだか足に力が入らなくなってきた。

意識ははっきりしているのに・・・・どうしたんだ?急にこんなになっちまう なんて・・・?

「ここからだったら私の部屋のほうが早い。遠慮は要らないから私の部屋で寝 ていろ」

「遠慮する。別に・・・このくらいの距離一人でも・・・・っつ!!」

歩き出そうと足を踏み出したとたん、腰から下に力が入らないようにいきなり 倒れこんでしまった。

「っつ・・・・・」

「ほら、言っているそばからその状態だ。おとなしく私の部屋で寝ているんだ な」

「ぉ・・・おい!!?」

シュバルツは言い終わらないうちにその身体には似合わない強靭なまでの力強 さで俺を軽々と抱き上げた。

っていうか、お姫様抱っこだろ、これは!!

「お・降ろせ!!せめて肩を貸すだけにしてくれ!!!」

「大丈夫だ、どうせ誰も見ているものはいない」

そうこうしているうちにさっさとシュバルツの部屋へとついた。

「ひとまず、寝室でおとなしく寝ていろ」

そう言って、俺は寝室のベッドへと転がされた。

俺も諦めて素直にそこで寝ることにした。

「・・・悪いな・・・」

「なに、気にすることはないさ」

・・・でも、用心することに越したことはないよな・・・・・・・

「ただ、礼をねだるかもしれんがな」

「っ!?」

やっぱり!!

「おいおい、こーういうことは自分から礼を強請るもんじゃねーだろう が・・・」

「別に、自分から強請ってもいいだろう?」

・・・・こいつ、やっぱ嫌いだ。

「ま、先払いでもいいか」

「お・・おい!!」

ベッドに腰掛けたシュバルツは横になっていた俺の身体に手を這わせてきた。

「何するんだよ!?」

「だから、礼の先払いだ。アーバイン、身体は熱くないか?」

「ったりめーだろ!!熱があんだぞ!?」

「熱・・・か・・」

身体を撫でていた手が意思を持ったように首筋を擽ってきた。

「アッ!!」

たったそれだけなのに、俺の身体はビクンと電流を流したような刺激が走っ た。

「な・・何・・・・?」

「気持ちいいのだろ?」

「んぁ・・・ッ!!」

首筋を擽りそのまま鎖骨を辿り、徐々に下へと撫でられていく手に否応無しに 身体が反応していく。

「な・・なん・・・で・・・・」

何で、これだけのことに反応するんだ!?

「アーバイン、“ガラナ”という物を知っているか?」

ガラナ・・・・?

「ガラナとはムクロジ科の蔓性高木の種子のことだ。主には成分のカフェイン を重視して使われている」

「それが・・・なんだってんだよ・・・?」

「このガラナにはな、もうひとつ使い道があるんだ」

そういうと、嫌な笑い方で俺を見下ろしてきた。

「濃縮させたガラナには、興奮性飲効果・・・つまり催淫剤の役割を果たすん だ」

「!?」

「飴状が主流かな?」

楽しそうな声が頭上を流れていく。

飴・・・・飴・・・・・

まさかッ!?

「さっきの・・・」

「今頃気がついたか?」

尚も楽しそうに笑うあいつの顔を一発殴りつけようとこぶしを上げたとたん、

「今の状態で私に勝てると思うな」

振り上げた腕はそのまま捕らえられ、見事にベッドへと押し倒された。

「は、離せ!!」

「据え膳食わぬは男の恥だ。諦めろアーバイン。それに、このままではお前も きついだろう?」

俺の身体は先ほどの小さな刺激だけでもう兆しを見せていた。

「くそ・・・!!後で覚えてろよ・・・!!」

「なんとでも」

後で絶対にぶちのめす。

俺はそう心に誓った。



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アーバインと兄さんのブツを書きたかったんですが、ん〜・・・なんか微妙で すね;

ちなみに、ガラナは本当にあります。そして本当にこういう効果はあります。
そしてこれはよく炭酸飲料で売られています。(もちろん上記内容の効果はこの飲み物にはありませんよ!!(汗))
狼の家の近くの自販機で初めて見つけたとき変な意味で感動してしまいました!!
で、そこで悩んだこと。

買うか買わぬか。

結局かってません;;なんか飲んだら眠くなくなりそうで怖いで すぅ・・・・;


ちなみに、この話の続きは裏の方でUPする予定です。(只今製作中)


















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