GUARANA



「ん・・・ッぁ!」

「我慢するな。もっと声を聞かせるんだ」

そう耳元で囁かれる低い声。

今、俺の上にいるのはカール・リヒテン・シュバルツ。

このガイロス帝国の大佐だ。

「んな・・こと・・言った・・・・って・・・ハッァア!!」

胸の表面に掌を置き、そのなだらかな曲線を楽しむようにゆっくりと撫でさするゆっくりな動 きに、俺は早くも息を弾ませてしまっていた。

「まだ、”ここ”しか触れていないというのに、随分と敏感なんだな」

既にお互い一糸纏わぬ姿でベッドにいる。

いかにも楽しんでますという声が聞こえてきて、俺は何度目かわからない怒りが湧き上がっ た。

そのままシュバルツの野郎を睨みつけ、

「テメェが変な薬を盛るからだろうが!!」

そう。今の俺はコイツの所為でおかしいのだ。

――俺は今日、風邪ぎみで咳と喉の痛みがあった。

――ちょうどそんな俺の所にシュバルツが通りかかり、何もしないよりはましだと、強引に飴 を渡してきたのだった。

――仕方なくその飴を舐めたのが全ての元凶。

――その飴の主成分は『ガラナ』と呼ばれるもので、シュバルツ曰く、催淫薬の類だったらし い。

――当然俺の身体は変な熱に浮かされ、足元が覚束なくなってきたとき、シュバルツの野郎に つかまったのだった。

俺が噛み付くと、シュバルツは身体を少し離し、口元に薄っすらと笑みを浮かべたまま、俺を 見下ろす。

相変わらずだが、この笑みが曲者なのだと思う。

「変とは失礼な。ガラナはきちんと飲料化され、各地に販売されているれっきとした認定物 だ」

「なぁ〜にが認定物だよっ!?俺に一服持ったじゃねーかッ!!」

「確かに、きちんと説明をせずに、飴を渡したのは認めよう。だがな、アーバイン・・・」

そして、再び体制を倒し、俺の耳元に口を近づけてきたシュバルツは俺の耳をゆっくりと舐め上げ囁くように呟いた。

「ガラナはな・・・実は、それほどの効力は無いという話だ・・・・」

必然的に重なる胸に要らぬ熱が其処から湧き上がるような錯覚を感じ、俺は勝手に息が上がっ てしまう。

「アッ・・シュ・バ・・ルツ!」

「だから、この敏感な反応は、もともとお前が持ち合わせたもの・・・と、言うことだ」

「ひっぁああ!」

そう告げるや否や、シュバルツの右手が胸の隆起を捕らえ、引っかき、潰す様に刺激してき て、俺はあられもない声を上てしまった。

その強い刺激で意識が霞む中、俺は自分の下腹部が生暖かく濡れた感触を感じた。

「クククッ・・・胸だけで達したのか?相変わらず、可愛らしいな・・・なぁ?アーバイン」

シュバルツの声に我に返らされ、何の抵抗らしい抵抗も出来ない自分の惨めさに、己でも気付かない内に強く唇を噛み締めていた。

「・・・こら、そんなにしたら唇が切れるだろう・・・まったく」

「ん・・・・」

そう言うと、シュバルツは胸への刺激を再開し、俺の唇を自分のそれで塞いでくる。

唇を強引に開かせ、歯列の裏側からなぞり、舌が痛くなるほどに絡みつかせ、吸い付いて きた。

その気持ちよさに、俺の身体は力が徐々に抜けていく。

条件反射のように、縋る物を探し、自然とシュバルツの背中へと腕を回す。

「んぅ・・・ぁ・・っは・・・ふ・・・・」

何の抵抗も出来ぬまま、胸の刺激と強引に犯される口内に、先ほど一度放った熱が再び湧き上 がるのを感じ、内心その再熱の早さに焦った。

「私は別にお前を惨めにしたいのではない・・・」

唇を離し、鼻がくっ付くぐらい近い距離でシュバルツは喋る。

「シュバ・・ルツ・・・?」

いつもの意地の悪い笑みでも、計略を考えてるような真剣な表情でもない、どこかやるせないような、そんな 真剣差と笑みを帯びた目をしたシュバルツが其処にいた。

 その真剣な眼差しで縫い付けられるような錯覚、不安を感じその感情のまま俺はシュバルツの名前をつぶやいた。

「・・・・なんでもない・・・」

そんな俺の呼びかけにに、少しつらそうな表情を浮かべ、シュバルツは何かを断ち切るように、軽く頭を振り再び俺の胸へと手をはべらせてきた。

「話しはここまでとするか」

「しゅ・・シュバルツ!?ちょ・・まっ・・!!」

「待たない」

静止を促す声をも無視し、シュバルツの舌が再び耳朶を刺激し、そのまま首筋に沿って鎖骨を甘噛みし、先ほどまで弄り赤く色づいた隆起を口に含んでき た。

「アッ・・!!」

その瞬間に走った電流に俺はシュバルツの髪を力任せに握り締めてしまった。

「こら、痛いぞ」

そう言いながらも楽しそうに喋るシュバルツに涙目で睨みつけ、お前が今すぐにでも止めたら手を離してやる!!そう目で訴える。

「気持ちよくさせてやるから、そんな目で睨むな」

「そん・・なこ・・・と・・・」

するな!と睨む眼光に力を入れると、

「お前のここは、こんなにも濡れて私を欲しがっているのにか?」

言うや否や、握り締められた俺自身。

「ッ!!」

自分でも気付かない内に其処は堅く反り返り、先端からは体温の同じ温度の透明な先走りを滲ませていた。

シュバルツの手が、其処を柔らかく握り、指で先端を軽く触れるように刺激され、俺はあられもない声を上げ、背をそらせる。

「どうだ?気持ちいのだろう?」

ふざけんな!!

そう叫んでやりたいのに、曖昧な愛撫を繰り返してくるその指に俺は徐々に身体の震えが止められなくなっていく。

「ぁ・・・っくぅん・・・・ッ」

「素直になれアーバイン。素直になればもっと気持ちよくさせてやるぞ?」

耳元で囁かれるだけでも身体は過敏に反応を示す。

「・・ざ・・け・・・・・な・・・ッァ!」

「やれやれ、往生際の悪い・・・」

わざとらしい溜息をつき、ソレを刺激していた手を何の躊躇いもなく離してしまった。

「ぁ・・・」

いきなりの失望感に小さく声を上げてしまい、シュバルツが口の端を上げ笑った。

「どうだ?達きたいのだろう?なら、きちんと言ってくれアーバイン」

囁かれ、再びソレに掌と指で刺激をくわえられ、俺は何とか自分を保つように頭を振って意識を回復させようと努めたが・・・

「・・・荒野の狼は相変わらず強情だな」

小さな溜息と呆れたような笑みを零し、シュバルツはベッドサイドの引き出しから何か小瓶を取り出し、起用に口を使って片手で開けると、中身を自分の 指に多めに垂らした。

「アーバイン・・・素直になれ」

その濡れた指を俺の身体の奥へと繋がるある一点に添えてきた。

「ま・・シュバル・・・ッつ!!!!」


<Next>





























カウンター